飲食店の経営において、経営者の方が気にかける一番のポイントは提供している料理であることがもっとも多いかと思います。

もちろん、お店の味は飲食店において重要なカラーではありますが、まずは食べてもらうための方法を考えなければ、せっかくの料理もお客様には届きません。

集客アップのアイデアには様々なアプローチ方法が存在していますが、今回は外装というビジュアルに訴えかける方法について紹介していこうと思います。

お店の魅力をお客様に簡潔に伝える方法の1つとしては、視覚的な印象も大切な要素になってくるのです。視覚から与えられる情報はメニューなどの文字よりもはるかに多いため、外装にこだわることも集客率アップには欠かせないのです。

①外装の雰囲気だけでも飲食店への印象は大きく変化する

飲食店へ訪れるお客様の目的は、単純な食事だけに限られません。

たとえば、お店の立地や雰囲気といった料理に直接関係ない要素でも、その場の空気感を楽しんでいる方がいらっしゃることもあります。
店内や店外に関わらず、新鮮なロケーションや特別な空間というものは、お客様を惹き付ける魅力の1つになるのです。

もちろん、美味しさやお店ならではの味を求めて来店されるお客様も多くいらっしゃいますが、お客様の属性というのは1つだけではないということは、経営者としては覚えておきたいポイントの1つです。

しかし、飲食店の経営において外装で惹き付けるという言葉だけを聞くと、多くの経営者の方は改善するために『資金が多くかかってしまう』という懸念がありますよね。

もちろん、大きな改修を行えば、それに対する費用は必要になります。予算との兼ね合いで出来る限り効率的に変化させる方法を考えていきましょう。

②入り口で目を惹き付ける『ウェルカムボード』

すでに実施されている経営者の方も多いですが、『ウェルカムボード』を設置することで、一目でお客様の視覚に情報を与えることが出来ます。

ウェルカムボードではオススメのメニューや日替わりで提供しているメニューなど、お店の特徴をしっかりと伝えられる内容を提示しておくと、より効果的にお店からのメッセージが伝わります。

また、合わせて商品の価格を提示することも重要です。

特に新規のお客様にとっては、どのくらいの予算でお店の料理が楽しめるのかを一目でお伝えできるという要素は大きな利点になります。メインのメニューを1点~3点、合わせてドリンクの価格なども提示しておくと全体のイメージをつかみやすいのです。

また、ウェルカムボードに料理の写真をラミネート加工して貼っておくだけでも、お店に入っていない段階で提供されるメニューの雰囲気をダイレクトに伝えることができるようになるんです。

一般的に、人間は知らない物などへのイメージを浮かべる時には、文字よりも視覚からの方が多くの情報を得ることが出来ます。

③『ガーデニング』で華やかな印象に

ウェルカムボードと同じように、あまり予算をかけない、または予算をかけられないという場合にはお店の入り口や目につくポイントにガーデニングを施してみてはいかがでしょうか?

ガーデニングは専門的な知識もとくに必要とせず、ある程度の場所さえ確保できれば、お店の外観から見た目の印象を大きく変えることの出来る方法の1つです。

たとえば、お店で使うハーブや香草なども業種によっては外装の飾りと自家菜園を兼ねたコーナーを作ることも可能になります。色が与えるイメージとしては緑などの青系統には落ち着きの印象を与える効果があるとも言われているのです。

周囲の範囲が確保出来るようであれば、オリーブの木なども育成が簡単な上に見栄えも良くなります。

『ガーデニングスペースがあまりない』といった店舗であっても小鉢や小さいプランターなどを置くだけで雰囲気を出すことは可能です。和食、洋食を問わず、簡単なガーデニングは店舗のオシャレな印象をアピールするのに有効な方法だと言えます。

店舗のガーデニングの気を付けるポイントとしては、お客様の目に入る場所にさり気なく飾ることです。また、植物によっては隣の物件などにもまたがってしまう可能性があるため、注意しておきましょう。

④『照明』の効果でコントラストを

外装から改善をしようと考えた時に、効果的にお店を魅せるには照明効果が挙げられます

お店によっては、お昼の間は店舗の存在自体が気付かれにくい立地であったりしますよね。そんな時に照明効果でお店の存在感をアピールすることが出来ます。

照明は種類や工事についてはピンきりですが、少しコントラストを付けるようなものであれば、比較的安い価格で改修することも可能です。

また、場合によってはDIYで自分で埋め込み加工をすることも充分に出来ます。

配線などが苦手な人でも、最近の照明はコードをつなげるだけ、という場合も多いので、そこまで難易度の高いものではありません。

お店の入り口までのロードマップとしてタイルを敷いたり、地面のサイドに照明を埋め込んだりするとワンランク上品な演出をすることも出来ますが、ワンポイントだけで明かりを取り入れるというのも雰囲気が簡単に出せるのでオススメの方法です。

照明1つとっても、お店の外観やお客様への印象は大きく変化するものです。

光によるコントラストは、少しミステリアスな印象を与えるので、隠れ家的なお店にはピッタリの演出が期待出来ます。もちろんお店の雰囲気やジャンルに合わせることは大切ですので、コンセプトに合わせて色や光を上手に選んでみましょう。

カラーコーディネートはお客様に与える印象を大きく変化させるため、白を基調とするのか、暖灯にするのかというポイントにもこだわりたいところです。

⑤『オブジェクト』でお店の新しい顔を

昔のうどん屋さんなどには、オブジェクトとして入り口や店内などに『たぬきの置物』があったことをご存知でしょうか?現在でも、讃岐うどんのメッカである香川県のうどん屋さんにはいくつかの店舗に設置されています。

もちろん、全てのお店が『たぬきの置物』ではおかしくなってしまいますが、お店の雰囲気に合わせたオブジェクトがあると、お客様の目を引きやすくなります。

ここでオブジェクトというと一般的には置物などをメインに想像するかもしれませんが、たとえば板金屋さんなどに依頼してお店の名前入りプレートを銅板などで作ってくれるところもあるんです。

店名をプレートなどにしたオブジェクトであれば、他の競合店と被ってしまうこともありませんし、オリジナルかつオンリーワンのアイテムになり注目を集める可能性も高くなります。

店舗の入り口で通りがかったお客様の目に留まるところに目立つオブジェクトを置くことで、少しでも興味を持って頂くことが出来れば、そのオブジェクトを設置した効果は充分にあるといえるでしょう。

外装の変化によって集客率をアップさせるには、単純に目立つような変化を求めるのではなく、『空気感』を作り出すことが大切な目的になります。

⑥『案内板』を設置してアピール

 

『案内板』はウェルカムボードと似ているようで、実際には設置の効果や目的が微妙に違ってきます。

ウェルカムボードは店舗に近づいたお客様にしか伝わりにくいものですが、『案内板』は店舗から離れた場所のお客様に対しての存在感をアピールすることが出来るものです。当然ながら、サイズは少し大きいものが必要になりますし、夜間のライトアップなども検討する必要があります。

配線などの関係上、DIYなど手作りで製作・設置をすることは難しいですが、デザインやライトアップまでプロに依頼することでクオリティーの高いものが仕上がります。

案内板はいつも同じ場所に目立つような設置をすることで、普段は近くを通らないお客様にも存在をアピールすることが可能です。

ただし、注意してほしい点としては、やはりお店そのものの雰囲気に合わないような装飾にしてしまうと、逆効果になってしまうこともあります。せっかく費用をかけて案内板を設置するのであれば、経験の豊富なプロに依頼したほうが安心だと言えます。

また、製作と設置の予算だけではなく、広告出稿扱いなどになると別途維持費が必要な場合もありますので、事前にしっかりと調べてみましょう。

⑦外装に変化を付けて魅せる演出を目指す

今回の記事で紹介した外装で魅せる5つの方法以外にも、外装に変化を加えようと思えば手作りレベルのものから、リフォームのような大掛かりなものまで方法としては存在します。

もちろん、外装に着手するとなれば、時間や費用もいくらかは必要になってきます。

ただ、最初にも解説したようにお客様がお店に求めている魅力は、単純に『美味しい料理』だけではない、というのが現実です。

どんなに魅力的なサービスを提供していても、お客様に伝える手段がなければ単なる自己満足で終わってしまいます。少なくとも、自宅では再現出来ないような雰囲気や空間を作り出すことによってお客様に与える印象は大きく変化するのです。

提供している料理のジャンルや店舗の立地、サービス全体の価格帯に加えて、お客様の年代層など様々な要素を判断する必要はありますが、外装から視覚的なアプローチをすることによって、今までは入店までには至らなかった新規のお客様が増える可能性は充分にあるのです。

まずは、現状で足を運んでくださっているお客様を詳しく分析することによって、同じような属性のお客様にアプローチしていくのか、それとも新規のお客様へのアピールとして変化を付けるのか、といった判断も可能になります。

そんな選択肢の1つには飲食店であっても外装で『魅せる』という方法があるということを知って頂ければと思います。

ぜひとも集客率アップの方法として外装に変化を付けることも検討してみてください。

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