日本では法人企業というとほとんどが「株式会社」のことを指します。
2005年6月に会社法の改正前が行われる前までは、有限会社なども有りましたが、現在では

  • 株式会社
  • 合名会社
  • 合資会社
  • 合同会社

の4つが「法人会社」と呼べるものになりました。

そんな中でも最も多い株式会社の「株主」についての基礎的な知識をおさらいしましょう。
知っているようで意外と知らない、そんなお話です。

①「株の所有」と「経営」の分離について

まず、株式会社の大きな特徴として「所有と経営の分離」があります。

株式会社では、株主が会社にお金を出して(出資、株主が選んだ役員が会社の経営を行います。
このように、株主(出資者はお金は出しますが、直接的には経営を行わず、会社の経営は取締役などの役員に任せることになります。

これを専門的には「所有(株主)と経営(役員)の分離」といいます。

ただ中小零細企業においては、株主と役員が同一であることが多いため、「所有と経営」は分離していない会社が多いのが実情です。

②株主の権利

株主は「株主総会での議決権(投票権)」が1株につき1個与えられます。

株主総会では、役員の選任・解任などの会社の重要事項を株主の議決権の多数決により決定します。

つまり、株主は役員を選んだり、役員が提案する重要事項の承認・否認をしたりする権利を持っているのです。株主は、直接会社を経営するわけではありませんが、間接的に会社を動かしているということになります。

株主は、その会社に利益が出ていれば、保有している株数に応じて配当を受ける権利も持っています。

このように、株主は「会社のオーナー(所有者)」として会社を間接的に動かし、その会社の利益から株主配当金としてお金を貰う権利を持っているわけです。

③株主による所有

株式会社における株主は、要約すると以下の権限をもっています。

企業運営に関する重要事項を決定する権限
取締役等の役員を選任・解任する権限
社長・会長等の役員からの提案を否決する権限
会社の純利益から株主配当金を得る権限

これらの事から、会社の所有権は株主である、ということが法律上認められています。

それとはまた別に、一般的な考えに基づく議論で「会社は誰のものか」という議論もありますが、その捉え方や考え方は千差万別、人それぞれです。
一重に誰のものかを決めることは難しく、実質的支配者の有無が重要な鍵となります。

この実質的支配者の存在は、出資法等にも大きく関係性があり、重要な一つのファクターです。
金融機関の融資や出資を募る際には実質的支配者がどういった人物なのか、かなり鋭く調査をされることも多々あります。

これは、反社会的勢力の人間が実質的だった場合、その企業はいわゆる「フロント企業」と呼ばれるものに該当し、その存在自体が社会的害悪とイコールになる場合が多い為、警戒せざるを得ない訳です。

このように、会社における株主はとても重要な役割を担っており、且つ、責任も非常に重たい存在なのです。

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